大沢逸見と対談

患者さんの心の声に耳を傾けて本当の自分らしさを引き出す施術を

大沢まずはこれまでの院長の歩みをお聞かせ下さい。

清水親戚に医師が多かったことや、両親からの薦めもあったため、自然と医療への道を志すようになりました。形成外科を志望したのは医師の数が少なく、需要も大きいと感じたから。また、怪我の治療や顔などの吹き出物を、ただ治すのではなく「よりきれいに治す」ということにやり甲斐を感じたことも志望要因のひとつです。現在当クリニックでは美容外科、形成外科、皮膚科、それに医療レーザー科を開設しています。

大沢プチ整形等が普及して美容外科に対する認識が変わりつつある今は、美容外科の需要が高いようですが。

清水そうですね。でも私は、美容整形の気軽さを売り物にする風潮には疑問を持っているんです。エステティックのような気軽さが受け容れられるのも分かりますが、美容外科はあくまでも医療。そういった意味で患者さんにはしっかりと考えてから施術を受けて頂くことが必要です。美容外科の門をくぐる方というのは、多かれ少なかれコンプレックスを持っておられます。それを解消してさしあげるのが、我々医師の役割。ですからただ単に患者さんの要望通りに手術をして終わり、ではなく、内面的なこと──患者さんがどのようなことに悩んでおられるのか、本心で求めておられるものは何なのか、そういったことに耳を傾けることが大切なのだと思っています。

大沢それは、現在医療において重要視されているインフォームドコンセントにも通じますね。

清水はい。じっくりお話をすることによって、患者さん自身がご自分の心を見つめ直されることもよくあるんです。また私は、お話を通じて医学的な見地から「しない方がいい手術」というのははっきりと申しあげます。たとえ時間がかかっても、話し合いを通し、患者さん自身が心から納得して手術・施術を受けて頂けるよう心掛けているんです。ただ、カウンセリングに時間を取ると、患者さんの待ち時間がどうしても長くなってしまいます。それが玉に傷ですので(笑)、それをどう解消するかが、今後の課題です。帰りに「ありがとうございました」と言って下さる患者さんの生き生きした笑顔を見ると、本当に嬉しいですから、今後は課題の解決に向けて頑張っていきたいですね。

大沢真心を大切にした診療・治療を行っておられるんですね。2003年の11月に開業されたということですが、現況はいかがですか。

清水おかげさまで順調です。開業してからは以前勤めていた病院で受け持っていた患者さんが来て下さったりしていますし、口コミで来院される方もいらっしゃいます。開業の地にここ京都を選んだのは、都市部で他と競合するよりも地方都市の需要に応えたいと思ったから。ここ京都は、滋賀や奈良など、他県からも足を運びやすい場所です。またエントランスのデザインもMBSの美術関連の方に担当して頂き、美しい外装を実現しました。容姿に対するコンプレックスで悩んでいる方、また「綺麗になりたい」と願って当クリニックに通っておられる方にとって、通院している場所が綺麗で清潔であるにこしたことはないと思います。もちろん大切なのは中身ですが、ほんの少しの心遣いで患者さんが気持ちよくなれれば私どもも嬉しいですからね。そういった意味でも、患者さんが心豊かになれるクリニック、患者さんに親しまれるクリニックを目指して、私を含めたスタッフ全員が日々の仕事に向かっています。

大沢では、スタッフの皆さんに常におっしゃっていることはありますか。

清水私が大切にしているのは、あくまでも患者さんの心を大切にした治療、つまりその方自身を大切にした診療、治療です。そういった意味で、カウンセリングの大切さ、そして患者さんの思いをしっかりと汲み取ることを大切にしてほしいと話しています。嬉しいことにスタッフは皆私の思いを分かってくれて、心のこもった対応を心がけてくれています。

大沢では最後に、今後の抱負を。

清水いつかは自社ビルでの診療が夢です。カウンセリングする場所にはゆったりとしたスペースをとりたいですね。私も患者さんも肩の力を抜いてリラックスできるような……。まだまだこれからですが、今後も患者さんを大切にした仕事を重ねていきたいですね。

大沢本日はいいお話をありがとうございました。

コラム

▼「診療・治療において最も大切にしていることは?」というゲストの大沢さんの質問に対し、「カウンセリングです」と静かに、だが強い意志を感じさせる口調で応えた清水院長。美容形成を手掛ける『ヴェリィ美容形成クリニック』には、容姿のコンプレックスに苦しむ患者さんが数多く訪れる。現在、月に100件を超える手術や施術を手掛けているという院長は、その一人ひとりの願いを、ただ手術によって解決するのではなく、本当はどうありたいのか、容姿のみを変えればその悩みは解決するのか、患者さんの心の声に耳を傾けることを大切にしているのだ。

▼「若い方ですと、コンプレックスの苦しみから自分の頭の中で思い描いていることが一人歩きしてしまうことがあるんです。つまり、自分自身と丸っきりかけ離れたものを求めてしまったりする。でも、本当に大切なのは自分自身。自分自身を否定するのではなく、まずは自分を認め、その場所からコンプレックスを克服するために何ができるのか、話し合っていくことにしています」と院長。別人になることがいいことなのではない。変わりたいという気持ちの核にあるのは何なのか、それを一緒に考えていく──。“心”をまず第一に考える院長の姿勢は、今後も『ヴェリィ美容形成クリニック』の進むべき道を示し続けることだろう。

対談を終えて 大沢逸見(女優)

「医学的な見地からしない方がいい施術は絶対にしない──そう、はっきりおっしゃった清水院長。利益追求主義でいい加減な手術を実行する美容外科も多い今、院長の言葉は本当に頼もしく感じました。『変わりたい』、そう思って周りが見えなくなっている患者さんも多いことと思いますが、その方々が自分の心を見つめるための手助けをする。そんな院長の姿勢に感銘を受けました」

掲載誌「現代画報」2004,11