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院長コラム

院長コラム一覧

2025.08.27カテゴリー : しわ・たるみ

眉下切開 のキズは,目立つ?目立たない?

上まぶたのたるみを手術で改善する方法としては、

①二重のラインで切開して皮膚(たるみ)を切除する方法

②眉毛の下で切開して皮膚(たるみ)を切除する方法

の2種類の方法があります。

 

キズ跡自体は二重のラインで切開してたるみを取る方が、キズ跡も目立たずキレイに治るのですが、まつ毛寄りの薄い皮膚を切除することになり、まぶたの厚ぼったさを気にされている方にとっては厚い皮膚が残り、たるみは解消したけれど二重の厚ぼったさが気になるという事が時々あります。

その様なときは、 眉下切開 といい、眉毛の下でたるみを切除します。眉下の厚い皮膚を切除することで、厚ぼったさが増すこと無くたるみを解消することができます。

眉下切開 の切開の長さ(キズの長さ)ですが、眉毛の長さ内での切開であれば、眉毛内にキズ跡ができる形になるので眉毛を描くとほぼ目立たなくできます。

ただ、たるみを気にしている方は大体が、目尻の方までたるみが生じています(赤点線)。

眉下切開の切除範囲

その様なときに、眉毛内でキズ跡が済むようにたるみを切除すると、目尻側のたるみを切除する事ができず目尻のたるみが残るようになります。

「他院で 眉下切開 をしてたるみを取ったけれど、まだ眼瞼のたるみが気になる」と受診される方は大体がこのパターンです。

眉毛が目尻を越えてまである方は、まずおられないので、目尻側のたるみを解消しようとすると、眉毛を越えた外側の部分まで皮膚を切除 (黄矢印) する事になり、キズ跡が眉毛の外側まで伸びることになります(緑矢印)。

 

目尻側まで切開を伸ばしたパターンの 眉下切開 の手術経過です。

正面から見たときの切除デザインです。

眉下切開の切除範囲正面 

切除した皮膚と縫合

上まぶたのたるみを眉下切開で切除した皮膚眉下切開の中縫いが終わった状態

術直後

手術後1週間目 抜糸前

眉下切開手術後1週間抜糸前

抜糸後

眉下切開抜糸直後

眉下切開 手術後2週目

眉下切開術後2週目の状態

眉下切開 手術後1ヵ月目

眉下切開術後1ヵ月目の状態

眉下切開 術後3ヵ月目

眉下切開術後3ヵ月目の状態

眉下切開術後3ヵ月目正面像

 

この様に 眉下切開 もキズを綺麗に縫えば、キズ跡がさほどわからないようにもなりますが、二重のラインで切開したときのキズ跡と較べるとやはり、二重のラインで切開したキズ跡の方が目立たないように思います。

 

上まぶたのたるみを解消したい場合、

たるみを取るのと同時に二重を作成したい、二重幅を変更したい、眼瞼はあまり厚ぼったくないという方は、二重のラインで切開し、たるみの切除を。

二重自体は問題無く年齢によるたるみを解消したい、一重のままでよいのでたるみだけを解消したい、厚ぼったい眼瞼が気になっているという方は、眉下でたるみを取るのがよいではないでしょうか。

2025.08.12カテゴリー : 二重

二重埋没 の後、まぶたの裏に糸が!?

先日、スタッフの 二重埋没 の手術を行いました。

左まぶたをひっくり返すと何と透明の糸が1cmほど露出していました。(黄色矢印)

聞くとずいぶん前に 二重埋没 をしたことがあるみたいでした。

1cm近く糸が出ているのに自覚症状もなかったのに驚きです。

 

二重埋没の手術は、ほとんどのクリニックで一旦、皮膚側から結膜側(まぶたの裏の粘膜)に糸を出し、また皮膚側に戻す、という感じでしていることが多いと思います。

最近は、裏側(粘膜側)から糸を通す方法でしているクリニックもまた出てきていますが、当院でも20年以上前に裏側から糸を通す 二重埋没 も行っておりました。ただ、もし二重の糸を取りたいとなった時に糸を全部抜糸できないのが欠点で、当院では早々に止めて手術メニューからはずしております。

そんな裏側からする方法もありますが、やはり主流は皮膚側から糸を通す方法です。

皮膚側から糸を通す方法では大体、手術直後は粘膜側に糸が0.5mmから5mmくらい出ている事が多く、それが次第に粘膜の中に糸が埋まり込んでいき眼球に当たらないようになります。

ただ、沢山の患者さんを診ていると、今回のスタッフもそうですが、埋まり込まずに出たままになっていたり、二重が弛むと同時に糸が出て来たりと、まぶたの裏側に糸が出ているケースをチラホラ見かけます。

当院では、そんな心配が無いように、結膜側には糸を出さないで固定する独自の通糸方法で二重埋没を行っております。今までに何千例と 二重埋没 を行っておりますが、粘膜側に糸が出ているのを見かけたことはありません。

しかし、当院の方法、皮膚側から粘膜側の厚さ約0.5mm(場所によっては1mm)の瞼板に糸を通さないといけないので、きっちり二重が固定できるように糸を通すには熟練を要します。瞼板に浅くしか糸が通っていないと二重が取れやすくなります。瞼板にしっかり糸がかかるようには経験と技術が必要なのでなかなか真似できるものではありません。しかし、まぶたの裏側に糸が出ない、つまり眼球を傷つけない事を最優先に考え、当院の勤務Dr.には頑張って教育しております。

 

まぶたの裏に糸が出ると噂では聞いたことがあっても、実際にまぶたの裏に出ている糸を見たことはないと思います。

色々なケースをお見せいたしましょう。

 

まず、何もない正常な瞼板です。

充血もなく毛細血管も綺麗に見えております。

 

当院術後は、ほぼ正常と同じ感じです。

当院スタッフで露出してた糸を抜糸して、新たに当院の方法で 二重埋没 をしたあとです。

充血していた瞼板が通常に戻っています。

 

 

次です。

結膜に糸は露出していないですが、強く糸が結ばれているため瞼板が変形しています。

違和感はありますが、糸が露出しているわけではないので眼球に対してという意味では問題ありません。

 

次、

一番ポピュラーな2点留め

片側は糸が粘膜の中に埋まって跡形が残っている状態(白矢印)

もう片側は糸は出ておらず、ギリギリセーフな状態。透けて糸が見えています。(緑矢印)

 

 

次も同じ2点留めの症例です。

2カ所とも糸が透けて見えています。(緑矢印)

眼球に糸が触れるわけではないので、この時点では問題ありません。

 

次からは糸がまぶたの裏に出ているケース。

ケース1

明らかな糸が見られ、出ている部分の瞼板は充血し真っ赤です。(黄色矢印)

 

ケース2

2点留めで、片側は糸が粘膜の中に埋まってますが、もう片側は糸が露出しています。(黄色矢印)

 

ケース3

これはあまり見かけないケースですが、瞼板から糸の結紮部(結び目)が飛び出していました。強いゴロゴロ感を主訴に受診されたケースです。

 

二重埋没 の手術、今や手軽感を感じている方が多い時代になってきてはおりますが、色々なワナがあるのも事実です。自分でしっかり調べて、カウンセラーではなく、できれば手術してもらうドクターに良い事も悪い事もしっかり説明してもらい納得いくクリニックで受けられる事をお勧め致します。