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院長コラム一覧
2025.04.10
臍突出、いわゆる でべそ ですが、初めて でべそ の手術を見たのが、今から30数年前の大学病院研修医の頃。
最初の印象。
確かに出ているおへそがへこむようになっているが…でした。
医学書にもいつくかの手術方法が載っています。おへその下側に窪みを作る。入り組んだキズにしておへそらしさを出す。色々コツも書いていますが、手術の目的としては、やはり出ているおへそがへこむようにです。
たしかに、 でべそ の手術なので、出ているのを治して凹みを作るのが目的です。ただ、手術の目的自体は達成されているのですが、その当時より綺麗さという意味では何かしっくりこないものを感じていました。
自分で でべそ の手術をし始めても、初めは教科書通り習った事を行っていました。
「窪んだおへそを作る」です。
でべそ の手術の修正に関しても大体が、「 でべそ が治りきっていない」「凹んでいない」との主訴で来られます。
形成外科の範疇でするとそれでいいのですが、美容外科の意識を入れていくと、何か物足りない気がしていました。。。
そう、縦長感です。
私の行っている形成外科を基礎とした美容外科からするとそこが物足りません。
どうすれば、縦長にできるのか。試行錯誤が始まりました。
医学書にもへこみの作り方は書いていても、縦長の仕方までは書いていません。
おへそを縦長に。
初めはおへその輪郭自体を縦長になるように、中の方を糸で固定したり、固定する位置、深さ、色々工夫をしたりしました。専門的な事は置いておきますが、輪郭を縦長にするほど、おへそが浅くなってしまいます。そこで、縦長っぽく見え、へこみもあるように見える、つまり、横長楕円形、円形、縦長楕円形で分けると、「縦長楕円形に見えるように!」を、まずは目標におへそを作っていました。
しかし、ある日、ふとコーヒー豆が目に入り衝撃を受けました。
コーヒー豆も形は縦長楕円形。ただ何か縦長感が強調して見える。。そう、縦に割れ目が入っているのです。

おへそも縦の割れ目を強調してあげるともっと縦長感がハッキリするのでは!
また、縦割れ感の試行錯誤が始まりました。キズを利用して縦割れ感を見せるように。キズの位置、縫い方、色々工夫繰り返し、現在の方法に行き着きました。
沢山の でべそ の手術をして来ましたが、変わらない事、変えられない事が、2つあります。元々のおへその「輪郭(フレームワーク)」と「奥行き」です。
おへその輪郭を変えようとすると前述したようにより浅いおへそになったり、無理矢理な形に見えたり、結局後戻りして元の形に戻ったり、と。。最近はおへその輪郭自体はそのままです。
奥行きも元々、深い人は深めのおへそになるし、浅い人は浅めのおへそになります。これは生まれつきの深さに左右されます。
コーヒー豆の縦割れ感だけでも、工夫をすれば十分縦長の綺麗なおへそに見せる事ができます。
また、でべそを隠そうとヘソピアスを開けに来られる方もおられますが、1回の手術で一生もののおへそを手に入れる方がよいような気もしています。

でべそ 術前1

でべそ 術後1

でべそ 術前2

でべそ 術後2

でべそ術前3

でべそ 術後3

でべそ 術前4

でべそ術後4

でべそ 術前5

でべそ 術後5
手術内容: 臍突出を改善する手術
料金:170,000円(税込187,000円)
リスク:術後感染、術後疼痛、腫れ
2024.08.26カテゴリー : 院長の独り言
たまに「先生は何がご専門ですか?」と聞かれます
聞かれると「二重を中心としたとした上眼瞼・下眼瞼の手術」とか「顔のたるみ取りの手術」等とは答えるのですが、以前よりこの質問には、患者さん側とドクター側に認識差?があるように思っています。
患者さんからすると「専門」と聞けばプロフェッショナルと思いがちです。
形成外科、皮フ科、内科、外科、眼科、それぞれ科における 専門医 は存在します。これは日本 専門医 機構が認定している 専門医 です。美容外科も日本美容外科学会が認定する 専門医 は存在します。
ただ、美容外科の中で、「二重が専門です」、「脂肪吸引が専門です」…これは誰が認定や指定する訳ではなく、ただ単なる自己申告です。
自分が「二重が専門」と言えば、自分で自分を専門と称することができます。
つまり、「〇〇が専門」は、手術の上手下手、センスにあまり関係ないといえば関係ありません。
専門と称していると症例数は多くなる傾向にあるので数をこなして慣れてくることによる上手さはあると思います。
手術をし始め30数年が経ちますが、【好きこそ物の上手なれ】で、どの手術に限らず手術するのが好きな人が、ある程度数をこなしているとどんな手術でも上手なのではないかと思っています。お料理が上手な人は、何を作っても美味しいのと似ているところがあるようにも思います。
クリニック選びをされている方は、受診されたクリニックで「先生は何がご専門ですか?」と聞かれるのもいいですが、「先生は何の手術にこだわりを持ってされてますか?」とか「先生は何の手術が好きですか? それはなぜですか?」と聞くのも、その先生の人となりがみれていいかもしれません。
2024.07.15カテゴリー : 鼻
小鼻縮小 術の外側切除という小鼻(鼻翼)の際を切って小鼻の張りを目立たなくする手術がありますが、一般的によくキズ跡が目立つと言われます。
他院さんでされた手術も含め、キレイに手術してもらっているなと思うこともあれば、キズ跡が目立つなと思うこともあります。
確かに見えるところにキズがくるのでキズが消えることはなくキズ跡として残るのですが、縫合する技術と切開する位置を工夫することで、キズを極力目立たなくする事はできます。
一般的に 小鼻縮小 のキズが目立つと言われるのは、小鼻の際が裂けているように見える凹んだキズの事を言っていることが多い様に思います。

小鼻縮小 他院術後
小鼻の際にキズ跡を持ってくると一番目立たないように一瞬思いますが、小鼻を切除したあと、縫い付ける頬側の皮膚と小鼻側の皮膚の角度が約90度くらいは有ります。90度角度のある厚みのある皮膚の表面を合うように縫うのは非常に困難です。
皮膚表面が合わずにずれてしまう結果、キズが凹んで見えたり裂けて見えたりします。
また、マニアックな観点から見ると、小鼻から頬へ移行する皮膚の微妙ななだらかさがなくなり、小鼻がいきなり頬に縫い付けられている感じに見えます。
小鼻から極わずかですが、ずらして切開することにより、小鼻皮膚が極小量、頬側に残り、縫う時に小鼻と頬を縫い付けるのではなく、小鼻と小鼻を縫うことができるので、
・角度無く小鼻同士を真っ直ぐ縫えること
・キズ部分の肌の質感が同じこと
・小鼻から頬へ移行する小鼻基部の微妙ななだらかさを残せること
というメリットがあります。

小鼻縮小 右鼻翼の切開デザイン
それにより、小鼻の外側にキズ跡は残るものの極力目立たなくすることができます。
小鼻縮小 術直後

小鼻縮小 術後1週目抜糸前

小鼻縮小 術後1週目抜糸直後

小鼻縮小 術後1ヵ月目

小鼻縮小 術後3ヵ月目

小鼻縮小 術後6ヵ月目

ただ、小鼻の切除量、小鼻の肌質(毛穴が目立つ、皮脂が多い等)によっても、キズ跡の目立ち方は左右されます。
ほぼキズ跡がわからないくらいにキレイに治る方、やはりキズ跡としてわかる方、個人差はあります。
状況素因(切除量、肌質)は変えることができないので、その部分に関しては仕方ないのですが、術者側の技量でキズ跡が目立たなくできる部分に関してはできるだけ 小鼻縮小 のキズ跡が目立たなくできればと思っています。
2024.05.15カテゴリー : 院長の独り言
令和6年3月半ばに空手の稽古中、右の脛骨・腓骨共に2カ所ずつ骨折してしまい、入院して脛骨・腓骨共にプレート固定する手術を受けました。
その間、美容皮膚科、皮膚科診療は小森先生にして頂いてましたが、外科系の診察、手術はストップしてしまい予約を頂いていた患者様には非常に申し訳ない事をしてしまいました。この場を借りてお詫び申し上げます。
骨折後、4日目で手術枠の空きがあり手術を受け、術後は4日間のベッド上安静。その後もリハビリは開始になったものの、骨折した右足はほぼ使う事なく、1週間が経過しました。
計2週間、足を使わなければ、ふくらはぎの筋肉が落ち、下腿が細くなってきました。
聞いてはいたものの、2週間でこんなに変化が出るとはびっくりです。

普段、診療でふくらはぎを細くするのにボトックスを注射していますが、2週間でここまで変化は出てきません。。
ふくらはぎボトックスは2-3回ボトックス注射を繰り返した後、2-3カ月待って細くなってくるのがわかってきます。
ボトックスで一部の筋肉を弛緩させ使わないようにするのと、足全体を使わないようにするのでは、筋肉の痩せ方がこんなに違うのかと自分で体験して初めてわかりました。
しかし、美脚目的として早く足を細くするために、ボトックスを足全体に注射するわけにもいかず、、、
また2-3週間ベッド上で安静にして足を使わないようにしているわけにもいかず、、、
ふくらはぎを2-3週で見てわかるほど細くするのは実際のところなかなか難しいけれども、ほぼ使わなければ細くなるものだと実感した今日この頃でした。
2024.02.27カテゴリー : 院長の独り言
先日、高校時代の恩師から、人生語録を頂きました。
その中に書かれていた【私の人生哲学】というひとくだり。
・人生とは自分自身の問題解決の道である。
・人生とは自分自身の足らざるを知り、謙虚に学びゆく道である。
・人生とは自分の心の在りようを確認しながら自己成長を為す道である。
・人生とは日々、未知の世界との邂逅である。
・人生とは自分独自の足跡を残すことにある。
・人生とは生死超脱の修業である。
・人生とは瞬間瞬間の積み重ねである。
・人生とは喜怒哀楽の繰り返しの連続である。
一つ一つの言葉を噛みしめていくと全てが心に響いてきます。
これは、年を取ってきたから感じるものなのか、昭和の人間だから感じるものなのか、、、
今ウケはしないかもしれませんが、全て非常にすばらしい言葉です。
心に刻んで、これからも人生、鍛練していこうと思っている今日この頃です。